不安とは
不安は、精神医学的には「対象のないおそれ、おびえ」をさします。
不安は誰しももっています。
人によって、不安をためこめる量は異なります。
こころの中の不安が溢れてしまい、日常生活を送るのに支障を来した状態が「病的な不安」の状態です。
大昔。
我々の祖先の身の周りは危険だらけ。
身の危険を察知したら、逃げるか、戦うか、即行動に移らないといけかったことでしょう。
不安は、そのような危険を察知するのに多いに役立ったはずです。
大昔は身を守るために作用していた不安が、現代社会では日常生活に適応するのを阻害する方向に働くことがあります。
不安が必要以上に強いと社会生活に支障をきたすことになります。
不安は、他の精神症状と一緒になって出現することがあります。
たとえば、気分の落ち込み、焦り、幻覚(本来は存在しないものを知覚すること)、など。
また、身体の症状を伴う場合もしばしばみられます。
有名なものとしては、動悸、過呼吸、手のしびれ、冷汗、不眠などがあげられます。
不安を呈する精神疾患
ほぼ全ての精神疾患において、不安が出現すると言えます。
特に不安が出現しやすい精神疾患を解説します。
このうち、漢方薬が良い適応となるのは以下の4つです。
- 全般性不安障害
- 適応障害
- 身体表現性障害(身体化障害)
- 心身症
これらはいずれも神経症と以前呼ばれていた疾患群に含まれます。
いずれもベンゾジアゼピン系抗不安薬が主として治療に用いられる疾患です。
長期にベンゾジアゼピン系抗不安薬を服用することで依存の危険性が高まります。
それを避けるためにも漢方薬による治療を積極的に考えるべきものと思われます。
なお、これら以外の各疾患については、西洋医学的治療がすでに治療の第一選択として用いられており、漢方薬がメインとはならず西洋医学的治療を優先すべきものと考えられます。
患者さんが不安を訴える時には、安神(あんじん)作用や鎮静作用のある漢方薬の中から処方を選ぶことになります。
安神とは「神(この場合にはしんと読みます)」を安んずる、つまり精神安定を図る、といった意味になります。
ここでいう鎮静作用は、西洋医学でいう鎮静作用とほぼ同じと考えてよいでしょう。
漢方薬は、一つ一つの処方に、複数の生薬が含まれているのが通例です。
安神作用のある漢方薬は、共通して茯苓(ぶくりょう)、竜骨(りゅうこつ)、牡蠣(ぼれい)、竜眼肉(りゅうがんにく)、遠志(おんじ)、酸棗仁(さんそうにん)などの安神作用のある生薬を含みます。
鎮静作用のある漢方薬では、柴胡、黄芩、患者さんの陰陽虚実に合っている方剤で、かつ、これら安神作用や鎮静作用のある生薬を含んだ漢方薬を選んでいきます。
- クリニック名
- 研究学園ななほしクリニック
- 診療内容
(診療科目) - 漢方内科、心療内科、精神科
- 院長
- 小野 真吾(日本精神神経学会専門医・指導医/日本東洋医学会専門医)
- 住所
- 〒305-0817
茨城県つくば市研究学園2-2-7
※駐車場あり - TEL
- 029-879-7740
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