イライラ
我々精神科医はDSM5というアメリカ精神医学会が作成した診断基準を用いて診断することがほとんどです。
そのDSM5で診断基準に易怒性が含まれている疾患は、全般不安症(全般性不安障害)、心的外傷後ストレス障害、境界性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害、複数の物質(カフェイン、大麻、タバコ)離脱、精神刺激薬中毒、ギャンブル障害、月経前不快気分障害などです。
診断基準に含まれませんが、統合失調症や躁うつ病でもイライラは生じます。
これらのうち、全てを漢方医学的に治療しようとするのではなく、可能な場合にのみ漢方薬を用います。
対処が難しい場合には西洋医学的治療を行います。
お気軽にご相談下さい。
イライラは肝か心か?
イライラを患者さんが訴える場合に、漢方で治療をするならば、五臓のうち、肝の異常なのか、心の異常なのか、それとも両方なのかを考える必要があります。
まず、患者さんが怒りをイライラと表現しているのか、それとも、不安でソワソワしてしまう状態をイライラと表現しているのかでも大きく異なります。
怒りであれば、肝の異常を考えます。
不安でソワソワしてしまうのであれば、心の異常を考えます。
肝の異常(陽気の亢進:ようきのこうしん)を疑う症候
イライラして怒りっぽい、入眠困難、頭痛、めまい、目の充血、けいれんなど
心の異常(陽気の亢進)を疑う症候
寝付けない、顔面紅潮、焦燥、じっとしていられない、動悸など
五臓論では、5つの臓を母子関係にみたてます。
肝は心の母です。
肝の陽気が過剰に亢進すれば、子である心の陽気も煽られて亢進してしまいます。
肝、心の陽気が亢進した状態になり、強い不眠、動悸、不安、躁などの症状が出現します。
これを心肝火旺(しんかんかおう)と呼びます。
木克土(もくこくど)
これは、肝が脾に悪影響を及ぼすという意味です。
肝気が亢進して、脾の働きを障害するために起こります。
例えるならば、イライラして、食欲がなくなるような状態です。
具体的には、食欲不振、腹部膨満、腹鳴、腹痛、呑酸、悪心・嘔吐などの症状が現れます。
この場合、脾の治療だけでは症状の改善は見込めません。
上流である肝の気の流れを改善する治療と、脾胃の力をつける治療が必要になります。
- クリニック名
- 研究学園ななほしクリニック
- 診療内容
(診療科目) - 漢方内科、心療内科、精神科
- 院長
- 小野 真吾(日本精神神経学会専門医・指導医/日本東洋医学会専門医)
- 住所
- 〒305-0817
茨城県つくば市研究学園2-2-7
※駐車場あり - TEL
- 029-879-7740
- 最寄駅
- つくばエクスプレス「研究学園駅」から徒歩12分
つくば市中央消防署向かい
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