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漢方診察続き

漢方診察は4つのステップからなることはすでにお伝えしました。次にこの4つのステップから得られた情報を変換して処方を決める手がかりにします。
得られた情報から、陰陽、虚実、気血水、五臓といった「ものさし」を使って、どのような問題があって、症状としてあらわれているのかを考えて行きます。
陰陽とは、熱と寒(冷えといってもいいです)のいずれが優勢であるか。熱が優勢ならば、陽証といいます。寒が優勢ならば陰証です。虚実とは、体力の充実の度合がどうかをさします。実証は体力があり、強壮な状態。虚証とは体力がなく、弱々しい状態です。その中間である場合には虚実中間証とよびます。
気血水とは、漢方医学独特の考え方で、目に見えないエネルギー(これを気とよびます)、目に見える液体(赤いものを血、赤くない液体を水)とに分けます。人の身体の中ではこの気、血、水が身体の中を巡っている。この気、血、水が過不足なく、滞りなく巡っていれば健康な状態です。これが、過剰になったり、不足したり、滞ることによって病的な状態が現れるとされます。
気の異常としては、気虚、気うつ(気滞ともいいます)、気逆があります。気虚は気が不足した状態です。だるくて、気力がなく、カゼを引きやすくなります。気うつは、気の流れが滞った状態です。喉や胸につかえを感じたり、抑うつ的になったり、腹が張るといった症状が出てきます。気逆は、気が下から上にこみ上げるものをいいます。顔面紅潮、頭痛、咳嗽などが出てきます。
血の異常としては、瘀血、血虚があります。瘀血とは、血の流れが滞るものをいいます。歯肉や舌、唇が暗赤色になる、へその周りを押した時に痛みが出たり、女性では月経にまつわる症状がでてきます。
水の異常では、水滞(水毒ともいいます)があります。体内に水が滞ったり、水が偏在するものです。めまい、立ちくらみ、頭痛、むくみ、尿量減少や多尿などが出てきます。五臓については、次回まとめます。